愛犬がケージを噛んでしまう...よくある悩み

毎日のように愛犬がケージの柵をガリガリと噛んでいると、本当に心配になりますよね。

☑ ケージの柵がボロボロに変形している
☑ 歯や歯茎から血が出ていないか不安
☑ 留守番中もずっと噛んでいるかもしれない

こんな悩みを抱えている飼い主さんは少なくありません。
特に金属製の柵が変色したり、プラスチック部分が削れている状態を見ると「このままで大丈夫...?」と不安になるものです。

実は、ケージを噛む行動には明確な理由があります。
その原因を理解せずに叱りつけても、かえって悪化してしまうことも。

まずは愛犬の気持ちを知ることから始めましょう!


犬がケージを噛むのはなぜ?主な6つの原因

ケージから出たい・自由になりたい

最も多い理由が、閉じ込められることへの抵抗です。
特に活発な性格の子や、普段から部屋の中を自由に動き回っている子にとって、ケージは窮屈に感じるもの。

「柵を噛めば扉が開くかも...」と学習している場合もあります。

退屈でエネルギーが有り余っている

十分に運動できていないと、余ったエネルギーをどこかで発散させたくなりますよね。
ケージ内でできることが限られているため、目の前にある柵を噛むという行動につながるのです。

若い犬や運動量の多い犬種では特に顕著に現れます。

分離不安や寂しさからくるストレス

飼い主さんと離れることに強い不安を感じる子もいます。
ケージに入れられると「置いていかれちゃう!」という恐怖から、必死に噛んで訴えかけているのかもしれません。

この場合、噛む以外にも遠吠えや粗相などが見られることがあります。

歯の生え変わり時期の違和感(子犬の場合)

生後3ヶ月から6ヶ月頃の子犬は、乳歯から永久歯へと生え変わる時期。
歯茎がむずがゆくて、何かを噛みたくてたまらない状態です。

たまたま目の前にある柵を噛んでしまう...というパターンも少なくありません♪

ケージ=嫌な場所という認識がついている

叱られた時だけケージに入れられていると、愛犬は「ケージ=罰の場所」だと認識してしまいます。
嫌な場所から逃げ出そうとして、柵を噛むという行動になるのです。

この負のイメージが定着すると、改善には時間がかかります。

運動不足で発散する場所がない

散歩の時間が短かったり、雨の日が続いて外に出られないと運動不足に。
体を動かせないストレスが溜まって、ケージ内で何かしなきゃという状態になってしまいます。

噛むという行動は、犬にとって手軽なストレス発散方法なんです。


ケージを噛むことで起こる危険なこと

歯が折れたり欠けたりする

硬い金属製の柵を噛み続けると、歯に大きな負担がかかります。
特に犬歯や前歯は折れやすく、一度折れてしまうと再生しません...。

歯の治療は高額になることも多いので、予防が本当に大切です。

歯茎の出血や口内炎

強い力で噛むことで歯茎が傷ついて出血したり、繰り返し刺激されることで口内炎ができてしまうことも。

口の中が痛むと、食欲が落ちたり元気がなくなったりします。

金属片やコーティング素材の誤飲

ケージの柵についているコーティングが剥がれて、それを飲み込んでしまう危険性があります。
金属製の柵が変形して尖った部分ができると、口の中を切ってしまうことも。

誤飲した場合、消化器官を傷つける可能性もあるため要注意です!

慢性的なストレスによる体調不良

ケージを噛み続けるという行為自体が、愛犬にとって大きなストレスになっています。
長期間ストレスにさらされると、免疫力が低下したり、胃腸の調子が悪くなることも。

精神的な負担は、体全体の健康に影響を与えるんです。


絶対にやってはいけないNG対応

1. 叱りつけたり大きな声を出す

噛んでいる最中に大声で叱ると、愛犬はさらに興奮してしまいます。
「構ってもらえた♪」と誤解して、かえって噛む行動が増えることも。

怒鳴ることは、信頼関係を壊すだけで解決にはなりません。

2. ケージに閉じ込める時間を長くする

噛むからといって、ケージに入れておく時間を延ばすのは逆効果。
ますますケージが嫌いになって、出たい一心で噛む行動がエスカレートします。

罰として使えば使うほど、問題は深刻化するでしょう。

3. 噛んでいる最中に急に扉を開ける

これは最も避けたい対応です!噛んでいる時に扉を開けると、「噛めば出してもらえる」と学習してしまいます。

必ず噛むのを止めてから、しばらく時間を置いて扉を開けるようにしましょう。

4. 苦味スプレーだけに頼る

柵に苦味スプレーを吹きかける方法は、一時的な効果はあるかもしれません。
でも根本的な原因を解決していないため、他の場所を噛んだり、慣れてしまって効果がなくなることも...。

対症療法ではなく、原因に向き合うことが大切です。


今日からできる7つの対策方法

【対策1】ケージに入る前に十分な運動をさせる

ケージに入れる前に、しっかりと散歩や遊びの時間を取りましょう。
体力を使い切ってから入れることで、ケージ内では静かに休むようになります。

おすすめの運動
朝の散歩を長めにする/ボール遊びで走らせる/犬種や年齢に合わせた遊び

しっかり疲れさせることがポイントです♪

【対策2】ケージ内に噛んでもいいおもちゃを入れる

噛みたい欲求を満たすために、専用のおもちゃを用意してあげます。
硬すぎず柔らかすぎない、適度な弾力のあるおもちゃがおすすめ。

中におやつを詰められるタイプなら、時間をかけて遊べるため退屈しのぎにもなります!

【対策3】ケージを心地よい場所にする工夫

ケージの中にお気に入りの毛布を敷いたり、落ち着ける環境を整えましょう。

☑ 静かな場所に設置する
☑ 適度な暗さにする
☑ 温度を快適に保つ

快適な場所だと認識すれば、自然とケージを噛む行動は減っていきます。

【対策4】短時間から慣れさせるトレーニング

いきなり長時間ケージに入れるのではなく、数分から始めて徐々に時間を延ばしていきます。
静かに過ごせたらすぐに出して褒めてあげましょう。

この繰り返しで、ケージは怖くない場所だと学習していきます。

【対策5】ケージの外で過ごす時間を見直す

一日のうち、ケージに入っている時間と自由にしている時間のバランスを確認してみてください。
閉じ込められている時間が長すぎると、どうしてもストレスが溜まります。

在宅時はなるべくケージの外で過ごせる時間を作ってあげましょう。

【対策6】噛み始めたらすぐ気を逸らす

噛み始めた瞬間に、音を立てたり別のことに注意を向けさせます。

効果的な方法
おもちゃを投げ入れる/おやつの袋をカサカサさせる/優しく声をかける

噛むのを止めたタイミングで褒めることも忘れずに!

【対策7】おやつを使ってケージを好きな場所にする

ケージに入ったらおやつがもらえる、という良いイメージを作ります。
自分から進んでケージに入った時に褒めておやつをあげる習慣をつけましょう。

「ケージ=良いことがある場所♪」という認識に変えていくことが目標です。


噛まれにくいケージの選び方と保護グッズ

プラスチック製トレータイプは噛みにくい

金属の柵タイプではなく、プラスチック製のトレータイプを選ぶという方法もあります。
柵がないため、噛む対象がそもそも存在しません。

ただしサイズや換気の面で合う合わないがあるため、愛犬の大きさや性格を考慮して選びましょう。

柵の太さや素材をチェック

もし金属製のケージを使う場合は、柵の太さや材質を確認してください。
細い柵より太い柵の方が噛みにくく、変形もしにくいです。

ステンレス製やコーティングの厚いものを選ぶと長持ちします。

噛み防止カバーで柵を保護する

柵に巻きつける専用の保護カバーもあります。
すでにケージを持っている場合は、買い替えるよりも手軽な対策ですね。

ただしカバー自体を噛んでしまう子もいるため、様子を見ながら使いましょう。

サイズが小さすぎないか確認する

ケージが窮屈だと、それだけでストレスになります。
愛犬が立ち上がって方向転換できるくらいの広さは最低限必要です。

サイズを見直すだけで、噛む行動が減ることもあります!


年齢別・状況別の具体的な対処法

生後3ヶ月〜6ヶ月の子犬が噛む場合

歯の生え変わり時期なら、噛みたい欲求が強いのは自然なこと。
ケージの柵ではなく、噛んでもいいおもちゃをたくさん用意してあげましょう。

冷やしたおもちゃを与えると、歯茎の不快感が和らぎます♪

成犬になってから急に噛み始めた場合

それまで噛まなかった子が突然噛み始めたら、環境の変化やストレスが原因かもしれません。
引っ越し、家族構成の変化、飼い主さんの生活リズムの変化など、何か心当たりがないか振り返ってみてください。

原因が分かれば、それに応じた対策が取れます。

留守番中だけ噛んでしまう場合

分離不安の可能性が高いです。
出かける前の運動を増やす、出かける時と帰ってきた時にあまり大げさにしない、などの工夫が有効。

少しずつ一人でいることに慣れさせていく練習が必要でしょう。

夜寝る時だけケージを噛む場合

日中の運動が足りていないか、寝る場所として快適ではない可能性があります。
寝る前に散歩の時間を追加する、ケージの場所を変えてみるなど試してみてください。

暗くして静かな環境にすることも、落ち着いて眠るためには重要です。


専門家に相談すべきタイミング

こんな症状が出たら要注意

☑ 2週間以上対策しても改善しない
☑ 口から出血が続いている
☑ ケージ以外のものも執拗に噛む
☑ 極度に興奮したり落ち着かない様子

自己流の対処法だけでは限界があるかもしれません。

行動学に詳しい獣医師を探す

犬の行動に関する専門知識を持つ獣医師もいます。
身体的な問題がないか診てもらいながら、行動面のアドバイスも受けられるため一石二鳥です。

かかりつけの動物病院で相談するか、行動診療科のある病院を探してみましょう。

しつけ教室でプロのアドバイスを受ける

ドッグトレーナーは、犬の行動に関するプロフェッショナル。
実際に愛犬の様子を見てもらいながら、具体的なトレーニング方法を教えてもらえます。

飼い主さん自身が正しいしつけの仕方を学べるのも大きなメリットです!

分離不安症の可能性がある場合

留守番中の問題行動が激しい、飼い主さんの姿が見えないとパニックになるなどの症状があれば、分離不安症かもしれません。
この場合、適切な治療やトレーニングが必要になります。

自己判断せず、専門家に診てもらうことが大切です。


ケージを噛む癖を防ぐための日常習慣

毎日決まった時間に散歩する

規則正しい生活リズムは、愛犬の精神安定にもつながります。
毎日同じ時間に散歩に行くことで、愛犬も予測ができて安心するのです。

運動不足の解消にもなって、ストレスが溜まりにくくなります♪

頭を使う遊びで精神的な疲労を与える

体を動かすだけでなく、頭を使う遊びも取り入れてみましょう。
おやつを隠して探させる、新しいコマンドを教えるなど、考えさせる遊びは精神的な疲労をもたらします。

適度な疲れは、ケージ内での落ち着きにつながるでしょう。

ケージは罰として使わない

これは何度でも強調したいポイントです!ケージは安心できる自分の部屋、という認識を持たせることが理想。

叱った後にケージに入れることは絶対に避けましょう。

飼い主さん自身の生活リズムを整える

犬は飼い主さんの様子を敏感に感じ取ります。
飼い主さんがバタバタしていたり、イライラしていると、愛犬も不安定になりがち。

できる範囲で規則正しい生活を心がけることが、愛犬の安定にもつながります。


まとめ|愛犬の気持ちを理解して根気よく向き合おう

ケージを噛む行動には、必ず理由があります。
運動不足、退屈、不安、歯の生え変わりなど、原因はさまざまです。

叱ったり無理に止めさせようとするのではなく、なぜ噛むのかを考えて適切な対策を取ることが大切。
今日からできる対策を少しずつ実践して、愛犬が安心して過ごせる環境を作りましょう。

改善には時間がかかることもありますが、焦らず根気強く向き合ってください。
どうしても改善しない場合は、専門家の力を借りることも選択肢の一つです。

愛犬との信頼関係を大切にしながら、一緒に問題を乗り越えていきましょう!